イオンプローブによる火炎伝ぱ速度べクトル計測

摘要

近年では燃焼診断において，LIF等のレーザ技術の目覚しい発展により，可視により燃焼室内の温度分布を計測することが試みられている．しかし，LIF等の装置は数千万円単位で非常に高価であり，また，高温雰囲気中の火炎に代表される，薄く可視しにくい火炎は，計測が難しいためになかなか普及できていない．一方，イオンプローブ法は，データロガーなどの記録装置と数万円単位の安価なプローブの組合せであり，普及しやすい診断システムある．可視しにくい火炎であっても，火炎中にはイオン電流が発生しており，火炎を検知するツールとしても優位性がある．本稿では，燃焼診断ツールとしてイオンプローブを工業炉や燃焼器に適用することをめざして，イオンプローブの概要，および，イオンプローブの使用例として，火炎伝ぱ速度べクトルの計測した例を紹介する．