空気吹込みを伴う鉛直円管内の水中を落下するアクリル球の挙動

摘要

鉄鋼分野における脱硫プロセスでは，CaOなどの固体の精錬剤がキャリアガスとともに硫黄を含hだ溶鉄中に吹き込まれる．精錬剤は慣性力によってキャリアガスから離脱し，溶鉄中に侵入して硫黄と反応したのち浴表面に浮上する．ただし，溶鉄中にはキャリアガスが大小様々な気泡となって存在するため，精錬剤は気液二相流中を侵入することになる．脱硫反応効率は精錬剤の侵入距離の大小にかかっている．侵入距離を知るには，気液二相流中を移動する固体の挙動を明らかにする必要がある．本研究では，第一段階として，底を閉じた円管内の静止水中に円管底部近傍に設けた上向きノズルから空気を吹き込hだときに形成される水-空気系気液二相流中を落下運動する濡れ性の異なる固体球の終速度に着目し，流動様式と濡れ性の影響を調べた．