EURADH 2016 ADHESION '16参加報告

摘要

2016年9月21日から23日までイギリス·スコットランドのグラスゴーで開催された，EURADH 2016に参加したので，報告する。EURADHは1992年にドイツカールスルーエで第1回が開催されて以来隔年で行われ，今回で13回目を数える。事前登録で26か国，171名の参加者（神戸大·清水君のカウント）があり，日本からは18名の参加と，一大勢力であったといえよう。日本接着学会からの参加者は竹村会長，宮城副会長，岸副会長，西野前副会長とかなり強力な布陣であった。会議は講演会場2室で行われ，基礎から応用まで様々な分野において幅広い発表があり，口頭発表が66件，ポスター発表が46件であった。日本接着学会の年次大会と比べて応力解析や寿命予測など力学的なアプローチが多い印象であり，接着についての考え方の違いが感じられた。参加者はそれほど多くはないものの，議論が大好きな欧州の研究者によって厚いディスカッションが繰り広げられた。特に，強烈だったのが，ブリストル大学Robert Adams先生の特別講演であった。接着継手の強度予測について，「有限要素解析は使えない」とか「破壊力学は意味がない」などの過激な主張がふhだhに盛り込まれた講演であり，当然のことながらその後の質疑応答では会場全体を巻き込hだ大議論に発展したが，最後はAdams先生の人となりによってなhとなく丸く収まるという新喜劇のような展開であった。最近の日本の会議ではほとhどみられない光景であり（30年はど前にはあったようですが），欧州と日本の歴史と文化の違いを感じた．次回EURADH 2018はポルトガル·リスボンにて開催されるが，また参加してみたいと思う。最後に，本会議に参加された若手の有望な先生2名の正会員への勧誘に成功したことを記しておく。