クリッピング攻撃耐性を有するLDPC符号化による音声電子透かし方式とその自己同期復号－抽出アルゴリズム(2)

摘要

音楽電子透かしに対する深刻な問題の一つとして，クリッピング攻撃がある．クリッピング攻撃とは，デジタルデータの一部分を切り抜き電子透かし情報の非同期を起こす攻撃である．通常の通信システムと同様に透かし抽出において同期を失ってしまうと，透かし情報の開始位置を知ることが出来なくなり正しい透かし情報を得ることは出来ない．本論文では，クリッピング攻撃によって透かし情報が受ける影響を解析し，その情報を利用することで，CPC性や同期用ヘッダを用いず，特にCPC性を考えない誤り訂正符号を用いて，クリッピング耐性を持たせる自己同期－復号アルゴリズムを提案する．同時に，そのアルゴリズムの高速化を図る方法を提案する．