水溶性シランカップリング剤を用いた表面化学修飾と繋ぎ留め型脂質二重膜形成への応用

摘要

固体基板上の人工脂質二重膜系において，スペーサーを介して脂質膜を形成する繋ぎ留め型脂質二重膜脂質膜は固体基板の影響を緩和するための手法として有用である．脂質二重膜の厚さが約5mmであるため，t-SLB の作製においてはサブナノメートルスケールで表面平坦性を保った表面化学修飾手法が求められる．本研究では水溶性シランカップリング材carboxyethylsilanetriolを用いた表面化学修飾および，共有結合により固定化したストレプトアピジン分子を介してt-SLBを作製し、その膜流動性を蛍光褪色後回復法によって計測した結果について述べる．