走水港における浅海域音波伝搬の解析

摘要

海洋の変化が地球海洋全体に与える影響は無視できない．特に沿岸域などの生活活動圏内における海洋変動は漁業活動や生態系の保全や調査の上でも重要である．音響波を用いたモニタリングでは複数のプローブを設置することでトモグラフィー手法などにより空間的な情報を得ることが可能である．しかし浅海域における海面海底反射の影響が無視できない．本報告では2008年8月に東京湾に面した走水港内にて双方向の音波伝搬実験を行い，潮汐や反射波の影響を受ける海域における伝搬波形の特性について検討する．伝搬時間変化は水温変動におおむね追随していたが潮汐の影響を受けていた．また双方向の伝搬時間差から流速変動のモニタリングを試みADCP の測定結果と比較した．