漁業調査船「北光丸」

摘要

独立行政法入水産給合研究センター殿ご発注の漁業調査船「北光丸」は，新潟造船株式会社本社新潟工場において建造し，平成16年8月31日に竣工した．初代「北光丸」（総トン数220トン）は昭和35年に建造，そして2代目「北光丸」（総トン数466トン）は昭和51 年に建造され，その後28年の永きにわたり，主に北海道区水産研究所が担当する水産生物資源及び海洋環境に関する調査·研究に従事してきた．その間水産業を取り巻く状況は大きく変り，水産資源の適切な保存及び管理の必要性が明文化されたことにより，我が国最大の漁場である亜寒帯海域の漁業資源を維持回復して有効利用することが重要な責務となった．また，地球環境変動が鋭敏に表れる亜寒帯海域で海洋環境研究を行なうことが国際機関で求められている．このような要請に応えるため，主として亜寒帯海域において長期航海，調査海域の広域化及び調査時期の拡充を確保するとともに，国際共同調査にも対応できるよう調査研究区画の充実及び錮査機器のハイテク化を図って建造されたのが3代目「北光丸」である．本稿では，3代目「北光丸」の概要並びに漁業調査のための特徴的な機能·設備について紹介する．漁業調査船「北光丸」の外観を図1に示す．