プロペラ後流の損失改善技術－PBCF（Propeller Boss Cap Fins）の普及

摘要

船舶，航空機，鉄道，自動車等，交通機関においては省エネルギーは常に重要な技術開発課題ではあるが，その評価は時々の燃料価格と設備費との経済的利得をベースにして行われて来た．しかし，CO_2を排出する石油を主たる燃料として使用せざるを得ない船舶においては，今後はこれまでの時代と違った環境影響の側面特にCO_2排出の低減効果も経済的評価と並ぶ価値付けが行われることになっていくと思われる．ここでは船体の外部からの直接の影響を授受する流体力をベースとした省エネ装置を概観し，その中で特に筆者らの発明したプロペラ効率改善装置「プロペラボスキャップフィン（PBCF）」の開発過程，技術的·経済的な特徴について述べる．