(C_(60))クラスターの熱による構造変化

摘要

C_(60)はその球形構造から剛体球と似た分子跡目互作用を持つと考えられている。 例えば固体C_(60)は最密売填結晶構造をとる。 一方でサイズの小さなブラ｝レンクラスターはicosabedral（正20面体）対称構造をとる事がこれまでに明らかとなっている。 しかしながら剛体球状分子間相互作用を持つプラ｝レンクラスターにはicosabedral構造は不利であると予想されている。 例えばGirifalco's sphericalポテンシャルもしくは加d朝re協kawaポテンシャルを用いた場合（C_(60))_nクラスターはnが13より大きくなるとicosahedral構造より最密充填構造やdecabdral構造の方が安定になる尊が報告されている。本研究ではこのような実験事実と理論的予測の差異を考察するため中性および正昭負イオン（C_(60))_nクラスターの質量スペクトルについて詳しく調べた。 実験は飛行時間型質量分析装置（TOF-MS）を用いて行った。 高質量数側（n>100）の検出感度を上げるために、加速電圧は18kVとした。 ヘリウム雰囲気下のクラスター源で生成したフラーレンクラスターは直径6mm長さ14cmの銅製加熱セルを通過して100-620臨まで加熱される。その際同時にグロー放電も行い、正·負イオンクラスターを生成した。 中性クラスターは加熱セル通過後にF_2ェキシマーレーザー(7.9eV)でイオン化して検出した。