石油系燃料油の超クリーン化技術—直接脱硫技術—

摘要

ガソリン硫黄分10ppm規制への対応としては，ガソリン中の硫黄分の90％以上を占めるFCCガソリンの低硫黄化が必要である。 特に残油を原料とするRFCCから生産されるガソリンは既存のFCCガソリンよりも多くの硫黄分を含有する。 RFCCガソリン中の硫黄分の低減方法には，RFCC原料を低硫黄化する前処理，RFCCでの脱硫処理，RFCCガソリンを脱硫する後処理の3つの方法が考えられる。 目標硫黄分が50ppm程度までであれば，前処理装置である重油直接脱硫（直脱）装置によるRFCC原料の硫黄分低下によって対応可能であると見られている。 しかし，目標硫黄分が10ppmともなると，直脱装置の性能向上によるRFCC原料のさらなる低硫黄化だけでの対応は難しく，RFCCガソリン脱硫（後処理）設備の導入が必須とされている。 このため，直脱装置の脱硫レベルと後処理設備の規模を考慮に入れた最適処理技術の確立が必要不可欠となっている。 ここでは，直脱装置の装置特性と最新触媒技術の活用によるRFCC原料の低硫黄化技術，およびRFCC装置，後処理設備を含めたトータルでの最適運転構築のためのキーポイントを概説する。