新規高熱伝導性樹脂材料～PPS樹脂「フォートロン~R」，LCP樹脂「ベクトラ~R」～

摘要

現在，電子デバイス·自動車などの多くの分野において，軽量化やコストダウンを狙った樹脂材料の用途展開が広がっている。自動車関連では，温室効果ガス（CO2）排出量削減や燃費規制に伴う環境問題への対応として，ハイブリッドカーや電気自動車への移行が進hでいる。これら次世代自動車では部品の小型·軽量化の推進および電動化による高出力化が求められ，これに伴う放熱対策が必須課題となっている。一般的に，樹脂材料は金属やセラミックに比べて熱伝導率が低いため，以前は放熱用途としての金属代替は困難であった。しかし，近年，高熱伝導性フィラーとの複合化技術の向上によって樹脂材料の高熱伝導化が行われ，放熱性部材への利用が検討されている。