臨床の魅力とこれからの薬剤師に期待すること

摘要

私が病院薬剤師になって駆け出しの頃，初めて病 楝常駐薬剤師として循環器病棟を任された.大学病 院としては最先端の治療を行っていたものの，病楝 に薬剤師が常駐することは当時は初めての試みで あった.朝から晩まで1日中，病棟で医師や看護 師，コメディカルと共に患者と向き合い，人間の生 死に接して初めて本当の医療を知った気がした.そ hな時，ある研修医に言われた一言が忘れられない.「薬剤師さhって，1日中薬のことを考えていら れて羨ましいです.私なhか雑用ばかりで，薬のこ とを考える時間が全然ない.私も薬剤師になれば良 かった.」医師が我々薬剤師を，薬物治療の観点から羨まし いと言ったのだ."隣の芝生は青い"とよく言うが， 医師からそhな言葉が出るとは，正直耳を疑った.