複数酵素の固定化が核酸アナログ創製を切り開く

摘要

核酸アナログ医薬品は，がhや感染症，ウィルス性疾患の治療薬として広く利用されており，今後も多方面の疾患薬として新規核酸アナ口グの開発が切望されている.これまで化学合成的なアプローチによる合成が行われてきたが,立体化学の制御や糖部分への位置選択的なリン酸化のために多くのステップ数を要し，コスト面での難点があった.このような背景のもと，Scismらは，ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を用いた核酸アナログの合成に成功した.しかしながら，その基質として用いたホスホリボシルピロリン酸ゃ酵素自体が不安定なことかち，最終生成物の供給は困難であった.