母乳育児支援への参加を目指して

摘要

母乳育児を希望する母親が増えている。薬剤師が支援できることは薬剤情報を提供することだけであろうか。飯山赤十字病院では週1回，病棟カンファレンスを行つている。チームとして母乳育児支援を行うために産婦人科医師，助産師，産婦人科病棟·外来看護師，薬剤師が参加している。まず，問題となる薬剤の母乳移行に関する情報を，複数の文献，書籍，インターネットサイトなどより薬剤師が収集·評価し，薬剤ごとにレポ一ト形式でまとめる。その情報をカンファレンスで提供し，各スタッフの立場から評価を行い，共有するという形式をとつている。評価においては母乳量，児の摂取能力，月齢，薬用量および服用回数のほか，母親の母乳育児に対する意見や退院後の家庭環境についても考慮される。共有された情報は医師により母親に伝えられるが，精神疾患などにより理解が難しい母親には薬剤師が再度説明を行うこともある。カンファレンスや母親への説明においては，薬剤以外の知識も必要となることが多く，母乳を基礎から学ぶことができる研修会やそこでの資料が役立つている。