新国際規格ISO誤接続防止コネクタ (経腸栄養)の国内導入とその問題点

摘要

医療機器の接続に使用されるコネクタに関して,誤接続の事故防止の観点から,異なる 製品分野で使用されるそれぞれのコネクタが接続できないように,国際標準化機構(International Organization for Standardization : ISO)と国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission : IEC)とカ?合 同で新たなコネクタの規格ISO 80369シリーズの制定を行った.すでに,この基本規格で あるISO 80369-1規格は2010年12月に採択 され,6分野で使われるコネクタの新規格が 提案されている.その6分野とは,呼吸器システムおよび気体移送(ISO 80369-2),経腸栄養(ISO 80369-3),泌尿器(ISO 80369-4),四肢のカフ拡張(ISO 80369-5)1神経麻酔 (ISO 80369-6),皮下注射および血管系など(ISO 80369-7)である.わが国においても,誤接続防止による医療安全の向上や国際整合による製品の安定供給確保の観点から,国際規格の導入が検討され,神経麻酔分野と経腸栄養分野での導入が決定され,先陣を切って,2018年から神経麻酔分野のISO 80369-6はわが国に導入された.