セイルウイング直線翼垂直軸風車に関する研究

摘要

直線翼垂直軸風車は、鉛直な回転軸を中心に複数の直線翼をアームにより固定した構造をもつ風車である。 この風車の特徴はダリウス形風車と同様に揚力を利用するため、高効率を得ることができる。また、プロペラ形風車などの水平軸型と異なりヨー制御を必要としないことや、発電機等の主要要素をタワー下部に設置できることから構造を簡素なものとすることができる。 さらに、ダリウス形にくらべて翼形状が直線であることから製作が容易になる。 しかし、ダリウス形と同様に自己起動が困難であり、この問題を解決するため過去においてサボニウスとのハイブリット方式、ソリディティ増大や翼型の研究など様々な研究がなされてきたが必ずしも問題の解決には至っていないのが現状である。 その様な中で翼にGFRPなどの剛体翼ではなく変形可能なセイル（布）を用いたセイル翼を使用した直線翼垂直軸風車の実験が村井らにより行われており、その有効性が明らかにされている。本研究ではセイル翼の採用により得られる翼の軽量化の起動特性等に及ぼす効果とセイル翼を用いたことによる表面形状の変形つまりたわみの影響を明らかにするため、フルスケールでの風洞試験を行い剛体翼との性能比較を行った。