微細隆起構造を持つシリコーンゴム表面へのAl薄膜堆積による超撥水性発現

摘要

ポリジメチルシロキサン（[SiO(CH_3)_2]_n)を代表とするシリコーンは，化学的に安定な高分子材料の1つであり，耐熱性，耐寒性，耐薬品性，電気絶縁性，光学的透明性など，様々な優れた特性を示す.この表面にさらに機能性を持たせることができれば，工学的な応用はより広範囲になるものと考えられる.これまで著者らは，真空紫外レーザーを用いて，シリコーンゴムにおいて，新規光化学表面改質法を実証してきた.その1つとして，シリコーンに波長157 nmのF_2レーザーを照射すると，露光部分のみが光化学的に炭素混入のないシリカガラス(Si0_2)に改質されることを報告している[1.2]. そして上記の結果を基に，Si0_2光導波路やSi0_2 マイクロレンズをシリコーンゴム上に直接形成し，フレキシブル光デバイスに利用するための基礎的成果を得ている[3.4].また，この光化学表面改質法を，シリコーンがコーティングされたポリカーボネートに適用し，新規自動車用樹脂窓材が開発できることも実証している[5-7].