日立製作所1,500V架線対応SiCハイブリッドインバータの開発と鉄道への応用

摘要

鉄道車両は，CO_2排出が少ない高効率な移動手段である．環境意識の高まりとともに，鉄道に対してもより一層の省エネ化が望まれている．鉄道の主要部品である駆動システムの低損失化を目指し，SiCのダイオードとSiのIGBTからなる耐圧3.3kVのSiCハイブリッドモジュールおよび2レベルのSiCハイブリッドインバータを開発した．合わせて走行風の取り入れ口と出口の温度差を最小化する冷却装置を適用することで，インバータ装置のサイズと質量をそれぞれ40％低減した．スイッチング時に発生する損失を抑制する独自のソフトゲート制御を最適化することで，SiC適用時に問題となっていたスイッチングノイズを最小化した．