東洋電機製造における車両用VVVFインバータ開発史(1)

摘要

東洋電機製造㈱（以下，東洋電機と記す）は，1968年にはすでに，自社製高速サイリスタ(600V/150A)を使用した出力20kWのVVVFインバータ（バッテリ電圧180V，インバータ出力最大40kW連続20kW）を搭載した電気自動車の試作·走行試験を，電気試験所と共同で行っていた．これは直流モータのチョッパ制御が普通だった当時の電気自動車の分野では画期的な試みであり，出力電圧制御にPWMを用い，トルク制御に「すべり周波数制御」を採用したことでも，極めて先進的な発想といえよう．写真－1にVVVFインバータ，写真－2に電気自動車の外観，図－1に制御ブロック図を示す．