ヒトの動作の最適化モデル

摘要

多くの研究者がこの計算論的アプローチに従って，生体，特にヒトの運動軌道とその最適化モデルについて研究を続けている．運動制御に関する計算理論を考えることは，制御対象の違いを超えて（すなわち，ヒトの身体のような筋骨格系に対してもヒューマノイドロボットのようなモータリンク系に対しても），共通して解くべき問題を示すことになる．本稿では，この分野に関心のある若い研究所を念頭において，最適制御の理論や生体の最適化モデルの妥当性についての厳密な議論は避けて，ヒトの動作生成のメカニズムにアプローチする上でどhな課題があるか（どhな問題を解かねばならないのか）を考えるとともに，研究の基本的なストラティジーを紹介することにする．