天然砥石に学ぶ超精密研削用砥石に関する研究－第1報：京都天然砥石のEPMA分析

摘要

現在，表面粗さ数nmp-vで無歪みな清浄面を創成するには研磨加工が用いられている．しかし，研磨加工では生産性の低さと環境への負荷が問題となっており，超精密研削加工に期待が寄せられている．超精密研削加工ではナノレベルの精度，高い剛性を持つ装置開発が進められている．しかし，砥石開発が遅れており創成面の品位は研磨加工に遠く及ばないのが現状である．一方，天然砥石に目を向けると，荒から仕上げまで幾種類もの砥石がある．特に京都高雄から産出される仕上げ砥石（合砥）は，未だに人造砥石の追従を許さないと言われている．しかし，優れた合砥においてさえ，学術研究ははとhどなされておらず砥石としての機構は不明なままである．そこで，本研究では従来の概念に囚われない新超精密研削用砥石を開発するために，天然砥石（合砥）に着目し検討を行った．本報では天然砥石の構造，材質を知るために，SEM観察およびEPMA分析を行った結果について報告し，砥石開発の可能性について述べる．