イオンクロマトグラフ法による飲料水中のアンモニア性窒素の測定

摘要

飲料水中のアンモニア性窒素の測定方法は，厚生省生活衛生局水道環境水道整備課長通知（平成4年12月21日衛水第268号）により1一ナフトール法またはインドフェノール法が規定されており，特に最近では自動分析装置の普及でインドフェノール法を応用した装置による測定分析が多く用いられるようになっている。 一方，これらの方法に加え，2001年の上水試験方法改訂では，イオンクロマトグラフ法及び連続流れ分析法が新たに採用された。このうち，連続流れ分析法は前述のインドフェノール法を応用した装置で，現在一般的に使用されているものとしてB社製オートアナライザーがある。 この装置はアンモニウムイオンのほか，シアン，陰イオン界面活性剤，フェノールを同時に測定できる利点を持つが，発色試薬に使用されるフェノール·ニトロプルシドナトリウムがフェノール測定へ影響を及ぼすおそれがあること，また煩雑な操作を必要とするなどの問題がある。