印刷法による薄膜形成技術,パターニング技術を利用した有機エレクトロニクスの動向と課題

摘要

シリコン材料を基にした従来型のエレクトロニクス製品が，リジッドな支持材料上にフォトリソグラフ技術を利用し材料を徐々に除いていく削減法により，複雑なバッチプロセスで作られるのに対して，有機エレクトロニクスの場合は，フレキシブルな支持材料上に有機材料溶液をRoll-to-Rollと呼ばれる，比較的単純な連続印刷製造プロセスを利用して付加法により製品を作る．結果として高速で，低コスト製造が出来るため製品コストを大幅に低減することが可能になる．逆に，フォトリソグラフを基にした従来法では化学反応的に，あるいは熱的に過酷でありすぎ殆どの有機材料が使用できないということもあって，フォトリソグラフ以外の技術導入が必要になってくる．