ブロー成形性に優れる多成分系ポリプロピレンの粘弾性

摘要

プラスチック材料は重合触媒，製造プロセスの開発と共に進展してきた．ポリプロピレン(PP)はZiegler-Natta 触妹の発見以来，世界の大学，企業で研究開発が進められ，近年では立体規則性および重合活性が高い固体触媒が工業的に実用化されている．最近ではメタロセン触媒を用いて重合された均一な分子構造で優れた製品物性を有するPPが商用化され始めている．しかしながらメタロセンPPは分子量分布が狭いため，せh断粘度の非ニュートン性が低く加工機への負担が大きい．また，溶融張力が低いためブロー成形など自由表面を有する成形加工法には適さない．ブロー成形ではメルトフラクチャー，ダイスウェル，ドローダウン性が重要である．これまで粘弾性とブロー成形性の関係について多くの報告が行われている．深田らはPPおよびポリエチレン(PE)のパリソンのスウェルはダイ出口での壁面せh断応力と相関があり，また，重量スウェルはキヤピラリーレオメータで測定したスウェルと良好な相関を示すことを報告した．川上らはPPの歪み硬化性とパリソン特性の関係を検討し，歪み硬化性が高いほどスウェル比が高いと報告した．また，ドローダウシにょる伸長歪みが1以下の場合，ドローダウン性は歪み硬化性に依存しないと報告した．藤山らはホワイソトカーボン添加PPの粘弾性とブロー成形性の関係を調べた．