LC-NMR/MSを用いた生薬の品質評価法に関する研究（1) 一生薬ゴシッの栽培および加ェ調製法について一

摘要

生薬は植物や動物，鉱物から製するものであり，天産 品であるがゆえに成分の個体差がときに大きく，また製 品になるまでの加工調製法の差で成分含量に差が生じて くる場合がある.生薬の品質の差は，その生薬を用いる 漢方処方の薬効にも影響する可能性があるため，生薬の 品質評価法の設定は漢方薬の薬効を保証するためにも大 生薬ゴシッは，ヒュ科ヒナタイノコズチAchymnthes fauriei Leveille et VaniotoまたはA. bidentata Blumeの根で あると日本薬局方（日局）に規定されており，牛車腎気 丸，疎経活血湯などの漢方処方に配合される.中国から 輸入されるものは懐牛膝と呼ばれるA bidentataを基原と するものであり，川牛膝と呼ばれるCymthula officinalis Kuanを基原とする生薬とは異なるものである.