吸水種子湿潤低温処理後のトルコギキョゥの発芽と生育に及ぼす グロースチャンバ一における明期の長さと光合成有効光量子束密度の影響

摘要

定植後に速やかに生育するトルコギキョゥ苗を人工光利 用の閉鎖型育苗環境で育てることを意図し，育苗開始から5週間の明期の長さおよびPPFDを明らかにしようとした.育苗は，明暗期の気温を27.5°Cとしたィンキュベータで 行つた.PPFDを平均125 mumo~(-l)、 m~(-2) 、 s~(-1)とした場合，育 苗開始8日後の発芽率は，明期の長さにかかわらず98% 以上となった.育苗開始5週間後の苗の節位別の葉身長は， 明期の長さが12hと比較して20hおよび24hが大きく， 定植から抽苔，発蕾および開花までの日数は小さかった. 明期の長さを24hとした場合，育苗開始8日後の発芽率 は，PPFDにかかわらず概ね95%以上となった.育苗開 始5週間後の苗の節位別の葉身長は，PPFDが50mumo~(-l)、 m~(-2) 、 s~(-1)と比較してlOOmumo~(-l)、m~(-2) 、 s~(-1) および125 mumo~(-l)、 m~(-2) 、 s~(-1) が大きく，定植から抽苔，発蕾および開花までの 日数は小さかった.これらの結果から，明暗期の気温が 27.5°Cの人工光利用の閉鎖型育苗環境では，育苗中の明期 の長さを20h以上，PPFDを100-125 mumo~(-l)、 m~(-2) 、 s~(-1)に することで，定植後にロゼット株が発生することなく，速 やかに生育するトルコギキョゥ苗を生産できることが明ら かになつた.