再構築のための処方せhを一刻も早く: わが国酪農の生産基盤縮小と生乳需給

摘要

周知のように、昨今の国際穀物市場での需給混乱は、地球温暖化問題や原油高騰に端を発する穀物のバイオ燃料への利用拡大、新興国などでの穀物需要の急増、気象変動に伴う穀物生産の不安定化、主要生産国での在庫率の低下が誘発した穀物市場への投機資金の大量流入など、これまでとは違った諸要因が複雑に絡み合って生み出されている。近ごろになって、この需給の混乱は沈静化の様相を呈しているものの、高騰の諸要因がすべて消失したわけでないため、輸入穀物依存型の生産モデルを追及してきたわが国酪農の経営リスクが完全には払拭（ふっしょく）できない状況が続いている。