LEDストロボ照明による方向性電磁鋼板の励磁状態磁区観察

摘要

近年、地球温暖化対策として低炭素社会実現のために様々な取り組みが行われている。電磁鋼板は変圧器やモーターのコア材として幅広く活用されており、その性能改善はエネルギー利用効率上昇に直結する。電磁鋼板の磁気特性把握の手法としては商用周波数での実働状態における磁区観察が有用である。我々はこれまで磁気光学Kerr効果を利用したcmオーダ領域の広視野磁区観察装置の開発を行ってきた[1]。一般に商用周波数励磁下で磁区観察を行うためには、おおよそ1000fps以上の高速度カメラを用いる必要がある。しかし、早いフレームレートにおける観察では1フレームの露光量が微弱となり、特に広視野観察において品位の高い観察像を得ることが困難となる。そこで我々はパルス駆動LEDを光源としたストロボ法を用いて商用周波数駆動における電磁鋼板の動的磁区観察を可能とする装置開発を行ったので報告する。