メ卜ボルミンで血糖コン卜ロール不十分な2型糖尿病患者に対するリナグリプチン併用療法の有用性

摘要

糖尿病治療の目標は，合併症である細小血管障害 や動脈硬化性疾患の発症および進展を阻止して，健康な人と同等に糖尿病患者のQOLを維持し，寿命を確保することにある。そのためには良好な血糖 コントロールを長期にわたって維持することが必要不可欠であり，経口血糖降下薬単剤で十分な血糖コ ントロールが得られない患者に対しては，作用機序 の異なる複数の血糖降下薬を組み合わせて使用する ことになる。近年，長年にわたる糖尿病研究の成果 から，「理想的な血糖コントロール」の条件が明らか になり，新しい作用機序を有する薬剤の登場によ り，その実現が容易になった。この条件の基本的要 素は，食後高血糖を含め血糖改善効果に優れるこ と，膵beta細胞を疲弊させないこと，③低血糖リス クが低いこと，体重増加をきたさないこと，の四つと考えられる。