腎細胞癌に対するパゾパニブ塩酸塩錠（ヴォトリ ェント~R錠）の使用実態下における安全性と有効性

摘要

本邦における最新のがh統計によると，2013年の 腎癌の推定罹患数は24,865人（男性16,610人，女 性8255人），2016年の腎癌による年間死亡数は 9350人（男性6009人，女性3341人）であり，い ずれも男女比が約2:1と男性に多く，罹患率は50 歳以後に上昇する傾向がみられる。当該データに は腎盂ゃ尿管の癌も含まれるが，一般に腎癌全体の 約9割は，腎実質の腎細胞癌が占めるとされてい る。腎癌の治療戦略の基本は外科治療であるが，遠 隔転移があり，根治切除不能な進行性腎細胞癌に対 しては薬物療法（分子標的薬治療，免疫療法）や局 所放射線療法が行われる。近年ではさまざまな分 子標的薬が使用されるようになり，個々の患者に適 した薬剤選択が重要となってきた。