地上端末を経由するスカイメッシュの通信品質に関する実験とその評価

摘要

気球を用いて空中に臨時にネットワークを構築するアドホック通信システム「スカイメッシュ」のリンク構成法を提案する．スカイメッシュとは，大規模災害によって通信障害が発生するときに使われるシステムである．気球間のリンクは気球が揺らされることにより不安定になる．気球端末と気球端末の間に2台の指向性アンテナを付けた地上端末を設置し，それを経由するリンクを構築することでより長距離で高品質の通信が実現する．本稿では2009年8月から9月にかけて新潟大学構内及び構外で地上端末経由リンク構成法の通信品質測定実験を行った．結果として，リンクの通信距離は気球間のものと比べて約3倍に拡大し，安定した高品質の通信を行うことができる．