3次元エリアモデルを用いたシステム間周波数共用環境評価－評価方法の改善と2次元エリアモデルに基づく評価方法との比較

摘要

本稿では，マクロセルラシステムと小規模無線システムが同一周波数を利用するヘテロジニアス環境の評価のため，3次元エリアモデルを想定したシステムレベル評価法を提案する．本評価法では，送受信点間の見通し状況，設置状況（屋内，屋外，階数等）により適用伝搬モデルを決定する方法［9］を基に，より現実的な評価を可能にするため，さらに近接する建物による遮蔽効果及び平均建物高と送受信アンテナ高の関係等を考慮し伝搬損失を算出する．そして，提案する評価方法と従来の2次元エリアを想定した評価方法により，マクロセルラシステムと小規模無線システムが同一周波数を共用した場合における信号電力対干渉及び雑音電力比（SINR）の分布を評価し，これらの比較によりへテロジニアス環境における3次元エリアに基づく本提案手法の必要性と有効性を示す．また，各システムを単独で運用した場合と，周波数共用時におけるマクロセルラシステムと小規模無線システムのスループットの評価結果を示す．