肝細胞癌に特異的に結合するヒ卜化抗Glypican-3抗体の創薬、開発

摘要

肝細胞癌は日本のみならず，世界中でUnmet medical needsの高い悪性腫瘍の一つである。さらに，肝細胞癌 は多くの場合基礎疾患として肝硬変を伴っており，正常 肝細胞に影響せず，肝細胞癌のみに作用する薬剤の開発 が強く求められている。そこで，肝細胞癌に対する抗体医薬品の創出を目指し，肝細胞癌に特異的に発現する膜 蛋白を同定した結果，Glypican-3 (GPC3)が見出された。 GPC3に特異的に結合し，かつ宿主の免疫細胞を用い抗 腫瘍効果を強く示す抗体をベースに，肝細胞癌治療薬の 創薬を実施した。現在，ヒ卜化抗GPC3抗体(GC33) の臨床開発を行っている。