「反力計測型一面剪断試験機」における周面摩擦の補正法と斜面安定問題への適用

摘要

地すべりや斜面崩壊の対策を検討する上で，すべり両の努断強度は重要な項目のひとつである。 この強度を測草するための試験としては，三軸圧縮試験が一般に広く使用されている。一方，一面剪断試験も三軸圧縮試験と比較して，試験機の構造や試験法が簡単であるので実用的に便利な試験法である。 しかし種々の問題点が指摘され，試験機の構造や試験法も長い間統一されていなかった。 特に，勢断藤内面と供試体の周面との摩擦（周面摩擦）の影響が不明確で，その具体的な補正法が問題であった。 1997年10月，地盤工学会において一面剪断試験法が基準化されたぃが，この中で，定圧一面剪断試験法においては，周面摩擦の影響を避けるために垂直荷重計を反力受け側に設置する事とされている。 しかしながら，砂や粘土等の土質の遠いと用面摩擦の発生特性については解説されていない。 このため筆者等は，垂直荷重計を反力受け側に設置した一面剪断試験棟（以下，本女では「反力計測型一面剪断試験機」と呼ぶ）を用いて，乾燥砂や正規圧密粘土等の土質特性に基づく周面摩擦の発生特性について検討を行い，それらの特性に基づいた補正法の提案を行った。