有明海沿岸クリーク地帯でのクリーク水質の年間変動および年次変動の解明

摘要

有明海湾奥部沿岸では，干拓に妄り低平地を拡大して農地利用してきた。 低平地では貯水機能と通水機能をあわせもつクリークを張り巡らせて，農業用用排水路として利用してきた。 しかしながら，有明海周辺ではクリークを有する低平地（クリーク地帯 ─蚊娣eに対して後背山地が小さいため水の確保が難しく，慢性的な水不足に悩まされてきた。 1970年代から始められた圃場整備事業により，クリーク地帯を縦横無尽に流れていたクリーク水路は整備され，幹線水路を中心として，その周りに支線水路や小排水路を組み合わせた構造へと再編成された。 その際，周辺河川からクリークへの取水方法も変化するなど，クリーク地帯での水管理や水環境が大きく変化した。