スピンバルブ型CPP-GMRのMRエンハンスメント－メタルベーススピンバルブにおける磁性層の役割

摘要

スピンバルブにおけるCPP-GMR特性を向上させるため、ピン層とフリー層の材料を検討した。 具体的には、CIPで通常用いられているCo{sub}90Fe{sub}10合金（材料A）、Fe{sub}50Co{sub}50合金（材料B）、さらにFe{sub}50C{sub}50合金に極薄いCu層を挿入した材料（材料c）の3種類である。 それぞれ、ピン層とフリー層の膜厚が5nmのもので、A△R (A：素子面積、△R：抵抗変化量)が1.0mΩμm{sup}2，1.6mΩμm{sup}2，and 2.9Ωμm{sup}2を示した。 Valet-Fertモデルによる解析より、材料Aから材料Bに変えることで界面と磁性層中のスピン依存散乱が増し、更にCuを挿入した材料Cを用いると磁性層中のスピン依存散乱が大きく増加することがわかった。 これは、Fe{sub}50Co{sub}50合金中のCuが、スピン依存散乱を増加させている冬めと考えられる。