2×2素子を放射単位とする並列給電導波管スロットアレーアンテナのE面サイドローブ抑圧用2層スリット構造

摘要

著者らは，並列給電導波管スロットアレーアンテナにおいて2×2素子を放射単位とするテイラー分布励振により正面から30-40度方向に生じる-25dB程度のE面サイドローブを，放射スロットアレーの上に誘電体を介してスリット層を設け抑圧することを提案した.従来の発泡誘電体の代わりにPTFEと空気の2層を用いて所望の等価比誘電率を実現し，それに伴う反射特性の劣化を，スリット層をもう一層重ね改善した.設計した放射部とE面にテイラー分布，H面に一様励振となる並列給電回路を組み合わせた16×16素子アレー全構造を70GHz帯で設計，解析した.反射が-14dB以下の帯域8.8%，73.5GHzにおける指向性利得33.2dBi,アンテナ効率76.6%を得た.設計周波数において，30-40度方向のサイドローブレベルを-24.9dBから-30.0dBに抑圧できた.