［依頼講演］弱電界地における移動通信パッシブレピータの検討－散乱型係留気球の初期検討とスケールモデル実験

摘要

移動通信システムにおいて山岳·山間地帯のような通信トラヒックの少ない地域でのエリア確保は重要な課題となっているが，人口過密の都市部と異なり高性能基地局を置局することは経済的に困難な問題である．このような地域においては，近隣の既存基地局の電波を中継してサービスする常設型レピータシステムの導入が現実的であり，これまでに多くの方法が開発されてきた．一方，臨時型レビータシステムは災害時などの緊急エリア確保などに有効であり，係留気球を用いて中継無線機を上空に設置する方法など多くのシステムが提案·開発され実用化されている．本稿では，係留気球を無線機輸送ではなく反射·散乱体として活用する新しい臨時型レピータシステムを提案し，その要素技術である散乱型気球の初期検討を行う．基礎的実験として1／50スケールモデルの導体球を試作しネットワークアナライザを用いてその散乱特性を確認する．