磁界共振方式を用いた無線電力伝送における位置誤差耐性向上

摘要

近年，磁界共振方式による無線電力伝送に関する研究が盛hに行われている．磁界共振方式の課題の1つとして，送受信コイルの位置ずれによる電力伝送効率の低下があげられる．本報告では，電気自動車に応用することを目的とし，位置ずれによる電力伝送効率低下の抑制の方法として，最適な周波数を選択する方法，送受信で異なる大きさのコイルを用いる方法，コイル周辺に金属板を配置する方法の3つの方法を提案する．本報告で提案する方法について，モーメント法を用いた電磁界解析により解析を行い，提案方法による電力伝送効率低下を改善できることを示した．最適な周波数を選択する方法では，位置誤差が無い状態で最も伝送効率が高い周波数よりも少しずれた周波数を用いることで位置誤差耐性が向上することを示した．またり送受信で異なる大きさのコイルを用いる方法では，送受信コイルのどちらか一方を大きくすることにより，位置誤差耐性が向上することを示した．コイル周辺に金属板を配置する方法では，コイルのみと比べ金属板を配置することによって位置誤差耐性が約1.3倍に向上することを示した．