Chirality資源としてのラセミ体：ラセミBIPHEPs－金触媒のキラルアニオンによる動的キラリティー制御と不斉触媒反応への活用

摘要

Kochとともに近代細菌学の祖とされるL．Pasteurが“Dissymetrie Moleculaire des Produits Organiques Naturels”（Molecular Asymmetryと後に英誤訳）というように，自然界はアミノ酸，糖等の単一の鏡像異性（対掌）体をChirality資源として鏡の世界を構築している，若き化学の徒であった彼自身分割したブドウ酸（racemic acidラセミ体の語源：racemusはラテン語でブドウの房の意）など限られた例外を除いて．