BaZrO3ナノロッドを導入したSmBa2Cu3Qy薄膜における磁束ピンニング特性と微細構造観察

摘要

銅酸化物超伝導体が発見されて20年が経過し、REBa2Cu3Oy（REBCO）超伝導線材を用いた超伝導電力貯蔵装置（SMES）、超伝導ケーブルや超伝導変圧器などの電力応用に向けた研究開発が急ピッチで行われている。REBCO超伝導線材の実用化には、工学的にデザインされたナノサイズの磁束ピンニング点（APC：Artificial Pinning Center）を膜中に導入することにより、磁場中における臨界電流密度J_cを向上させる必要がある。これまで、様々な方法でAPCを導入し、磁場中での高J_c化が実現されている。