(043-116)変形した鋼部材への炭素繊維シート接着工法の適用に関する検討

摘要

我が国の社会基盤構造物は，老朽化が急速に退行しており，社会的なリスクが高まっている．すでに木曽川大橋の斜材破断や笹子トンネルの天井板落下などの事故も顕在化している．一方，橋梁に目を向けると，老朽化により腐食の発生などの問題が多数報告されている．これに伴い，塗装塗り替え等が実施されているが，作業時における火災の発生による部材の変形といった問題が生じる可能性がある?また，これと合わせて，車両の衝突による部材の変形も無視できない問題である．これらの変形に対する補修方法としては，変形した部材を切り出し，新たに部材を添接する部材交換や熱を加えて矯正する加熱矯正などのT法が用いられている．これらのT法は，変形最によらず一定の架設機材が必要となるなど，施工が大掛かりなものになる．