日本の水産防疫体制とく 水産用抗菌剤の取り扱い

摘要

水産物は日本の豊かな食文化を支える食材のひとつ として欠かせないものですが、養殖技術や輸送技術の 発達により、わが国に輸入される水産物の種類や形態 は多様化しています。また、水産業に多大な被害を及 ぼすリスクの高い新たな疾病が世界各地で確認されて おり、輸入される水産物が短期間でさらには長距離輸 送することも可能となっている現在、海外から病原体 が侵入するリスクは高まっています。ひと度疾病が侵入、まh延すると、その撲滅は難し く、例えば、コィヘルぺスウィルス病やクルマエビのホワイトスポット病は、発生から10年以上が経過した現在でも散発的に発生しています。このため、水産 防疫では、海外からの疾病の侵入を未然に防止すると ともに、万が一発生した場合には、早期発見，迅速な まh延防止措置により、被害を最小限にとどめること が極めて重要です。加えて、その措置が適切なもので あるためには、国際基準と整合をはかり、科学的根拠 に基づくものであることが不可欠です。