大腿骨頭すベり症のin situ pinning後にbumpによるFAIを生じた1例

摘要

大腿骨頭すベり症に対してIn Situ Pinning (ISP)を施行後，bumpによるCam typeの FAKFemoroAcetabular Impingement ：以下，FAI)を生じ，手術を施行じた症例を経験したので 報告する.男子，14歳8か月，12歳1か月時，不安定型SCFEを発症レ，後方傾斜角は36°でISP を施行した.術後疼痛無く経過していたが，術後1年1か月で左股関節痛が出現.疼痛のため歩行 不能となった.Drehmann徴候陽性で，内旋可動域が制限されていた.大腿骨頭類部移行部に bumpの形成を認め，リモデリングはJones分類type Cであった.Cam typeのFAIと診断し， 保存的治療を行った.bumpは経時的に大きくなつた.屈曲時の疼痛，可動域制限が残存し，14歳 8か月時に抜釘とFAIに対し手術を施行した.手術はmini-openでbump切除を行った.疼痛は消 失し，短期成績は良好である.小児期においてもFAIの発症に注意が必要である.