歯科用コーンビームCTの診断参考レベル：広域調査を行うための測定用具の検討

摘要

歯科用コーンビームCTの診断参考レベル（Diagnostic Reference Level, DRLと略す）には面積線量(Dose area product, DAPと略す）を用いるという前提で，広域調査に適すると思われる光刺激ルミネセンス線量計（Optically Stimulated Luminescence Dosimeter,OSLDと略す）を用いて，対象施設を限定した予備調査を行った。使用したOSLDは長さ17 cmの1次元線量プロファイルを測定できる CT線量計と，ある点での線量を測定するnanoDot線量計であった。前者は2つを中央で交差する様に用いることで照射野のX-Y方向で の長さを測定し，線量の平均値との積をもってDAPとした。後者は照射野の数か所に配置し線量測定し，その下に置いたX線フィルムで 照射野を測定し，両者の積をDAPとした。対象とした21施設での測定結果は以下であった。DAPで126.7 mGy cm~2から1476.9 mGy cm~2に分布し，平均448.7 mGy cm~2,第3四分位数428.9 mGy cm~2となつた。また，CT線 量計から得られる面積線量とOSLDとX線フィルムの組み合わせから得られる面積線量の相関を調べるために，後者に対する前者の比を とったところ平均0.92，変動係数6.1%となった。この程度で両者は一致することから歯科用コーンビームCTの診断参考レベルを決定す るための広域調査を対象とした測定において，十分な精度で面積線量の測定ができると結論した。