既望の山一北アルプス鉱山開発史シリーズ3戦時に呼応した内山鉱山

摘要

既望とは満月の翌日、十六夜の月をさす。満月から萎hでゆく月もいずれは満月へとゆっくりむかう。いま萎みつつある日本の鉱業界もいつか満月へと向かうのだろうか。これまで北アルプスと呼ばれる地域内の鉱山を調査してきた。はじめに五竜岳の懐を穿った大黒鉱山と、つぎに剣岳に近隣した池ノ平山を開発した小黒部鉱山を紹介した。今回の内山鉱山は北アルプスと呼ばれる山域に隣接する僧ケ岳で採掘された鉱山である。鉱山の基点は現在北アルプス登山口の一つである宇奈月町である。この町に図書館と博物館を兼ね備えた友学館という施設があるが、十数年前、その友学館の学芸員である松木さhから尾沼谷上部で稼業されていた鉱山を調べてくださいと懇願されていたがやっとその責を果たすことができた。