小児期における生活習慣病の予防

摘要

現代の健康管理の焦点となっているのは，肥満を始めとする生活習慣病の因子で，いわゆるメ夕ボリックシンドロームを構成する危険因子の発現予防である.このリスクファクターは文字通り日常の食生活を含む生活行動の習慣が主要因となっている.実はこの症状が子どもにも存在することが示されてきた.食習慣は幼児期からの家庭の食事，保育者の職思考および食意識によつて継承されるものである.したがって，家族にコレステロール値が高い，あるいは肥満の人がいれば子どもにも同様の症状があらわれても不思議ではない.生活習慣病のリスクは主として子どものときからの運動量の低下と不適正な食物摂取習慣に関連していることが明らかになっている.した力5'つて私たちはこの症状を成人になってからの予防ではなく，小児期からの予防が重要であると考え，子どもの健診，その後の栄養教育の支援·生活指導を実施してきた.これらの指標を対象とする健診はまだ国としては要求されておらず，これらを重要視する地域で任意に実施し，約25 年にわたる健診の結果，健康指標の改善に良い効果を挙げた.