仮想化基盤システムにおける仮想マシン自動復旧機能の実装と課題

摘要

近年，スマートフォンの急速な普及により，データ通信トラフィックの増大が続いている．通信キャリアでは，通信ネットワークの社会インフラとしての信頼性確保や，大規模災害などへの備えとして，いつでも繋がる通信ネットワークの構築を適正なコストで実現することを目的とし，通信ソフトウェアの仮想化（NPV: Network Functions Virtualization）の導入が世界的に活発化している［1］．筆者らは，世界に先駆け，NFVアーキテクチャに準拠し，更にはマルチベンダ構成における仮想化基盤システムを実用化した［5］［6］．本稿では，実用化した仮想化基盤システムを概観すると共に，本システム上で動作する仮想マシン障害時の自動復旧機能の実装と直面した課題と対策について考察する．