熱ショック蛋白と自己免疫疾患

摘要

熱ショック蛋白(heat shock protein ； HSP)は，温度，栄養障害，酸化ストレス，炎症などのストレス応答として発現する蛋白の一群である.その機能は，いわゆる細胞内の分子シャぺ口ン(molecular chaperon)として，新たに合成された蛋白の折りたたみや細胞内輸送を助ける働きをしており，原核細胞·真核細胞を問わず， 細胞の生存に必須の蛋白である.多くはストレス応答で発現が亢進するが，恒常的に発現しているものもある.真核細胞内の分布も細胞質， ミトコンドリア，滑面小胞体とさまざまである.