光プリント配線板用高分子光導波路の開発動向

摘要

CPUなど電子LSIにおけるギガビット毎秒を越える高速?大容量化時代の到来と共に，電気配線におけるノイズ，クロストーク，電磁輔射，帯域制限などの問題がボード内にまで浮き彫りとなって来ている。この間題を解決する1つの方法として，光配線（光プリント配線板）の導入があげられる1）。 光配線を用いることにより，ボード内の高速·大容量化，さらには配線の簡素化?小型化が可能となる。 最近では，サーバなどの光通信機器において，10ギガビット毎秒（10Gbps）のボード内伝送に光を用いることが検討され始めており，民生機器についても，特にノイズなどの問題から，数百メガビット毎秒でも積極的に光配線を検討しようとする流れがある。 しかしながら，その開発スピードが当初の予想よりも少し遅くなっているのが現状である。 光配線媒体には光ファイバや光導波路等が考えられる。数～数十cm程度の伝送の場合，小型·高密度の点から光導波路が有効である。さらに，光導波路は多層化や膜厚方向へのパターンニングが実現可能であることから3次元配線が可能となる。 また，シート状の光配線であるためプリント配線板と同様に扱えるなどのメリットがあり，フイルム光導波路を光プリント配線板に適用しようとする研究が盛hになってきている。